西豪州南西部にある小さな町の小学生により作成されたCO2の回収・貯蔵(CCS:carbon capture and storage)についての絵本「A Day in the Life of a Carbon Atom, Starring: Adom」が世界進出を遂げている。この本を世界中に広め、若い読者に炭素サイクルや持続可能なエネルギーについて理解を深めてもらおうとするグローバルCCSインスティテュート(Global CCS Institute)の取り組みの一環として日本語訳が発行された。
オーストラリア人翻訳家のHeather Glass氏による日本語訳版は、パース補習授業校(The Weekend Japanese School in Perth)においてビル・マーミオン財務大臣鉱山石油担当により発表された。サウスウェスト・ハブ・プロジェクト達成のため、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)による「持続可能な将来」という科学教育プログラムの拡大を支援するため、2013年に州政府がこのAdomプロジェクトへ20万ドルを助成したことをマーミオン大臣は誇りに思うと述べた。「この工夫に飛んだシンプルかつ効果的なCCS解説法はすでにオーストラリア、イギリス、カナダで利用されている。」
「Adomは州南西部の町、Brunswick JunctionのSt Michael’s Catholic小学校にて小学6、7年生21名により2年前に作り出されて以来、大いに出世してきた。パース補習授業校での試行後、今やAdomはCO2排出削減に役立つため日本へ向け飛び立つところだ。」
「現在、原子力発電所の閉鎖を火力発電が補おうとしている日本において、この本を使用するという決断は大変時期がよい。西豪州発のCCS技術は、2030年までにCO2排出を20%削減するという日本の数値目標の達成に役立つ可能性がある。また、CCS技術により世界のCO2排出を13%まで抑制することができると、国際エネルギー機関(IEA)は見積もっている。」
サウスウェスト・ハブ・プロジェクトは、ハーベイ周辺の地下深くに年650万トンのCO2を恒久的に貯蔵できる可能性について調査中だ。また4,840万ドルをかけCSIROの国立地中貯留研究所(National Geosequestration Laboratory)が先月パースに開設された。さらに、サウスウェストハブの4地点の掘削により砂岩が発見され、CCSの可能性が高まっている。サンプル分析はCSIRO、西豪州大学、カーティン大学により行われている。