大阪を拠点として活動しているアーティスの大西康明氏は西豪州イースト・ピルバラ(East Pilbara)でのアーティスト・イン・レジデンス2015 The Art at the Heartに参加し、現地でインスピレーションを受けた作品の展示を行い、その滞在を締めくくった。
ニューマンクラブ(Newman Club)のスカッシュコートにて接着剤で構成され釣り糸と針金にぶら下がった作品を公開し鑑賞者を驚かせた。作品は通り抜けることができ、正面、後方、内側そして会場内の展望台から見下ろすこともできる。
この作品はニューマンでの最初の夜が大雨だったことでフォーテスキュー川(Fortescue River)のほとりに立った際インスピレーションを受け、大雨が川を流れ景色を変化させる様子を想像した。
開会に際して、司会を勤めたGerry Parsons氏は次のように述べた。「The Art at the Heart Residencyは我々が誇りを持ってホームと呼ぶイースト・ピルバラの美しさと神秘的な雰囲気を紹介する素晴らしい機会だ。イースト・ピルバラを代表しこのプログラムをともに作り上げたArchipelago Artsの協力に謝意を述べたい。また、一時的にアートスタジオとしてスカッシュコートの使用を許可してくださったニューマンクラブにもお礼を申し上げたい。」
また大西氏の展示に関し次のようにコメントした。「6週間という期間、大西氏をイースト・ピルバラにお迎えできたことを嬉しく思います。そして、イースト・ピルバラの風景をずっと心に残してくださればこれほど嬉しいことはありません。滞在の証として素晴らしい作品を残して下さったことに感謝いたします。」
大西氏は接着剤、ロープ、ポリシートや針金といったシンプルな素材を使用し、時間や重力、空間といった目に見えないコンセプトを視覚化した作品を作り上げることで有名だ。これまで日本、ヨーロッパ、アメリカそして今回西オーストラリア州ピルバラで個展を開いている。
The Art at the Heart Residencyはイースト・ピルバラが地元の芸術や文化景観発展のため4年契約で行う年間イベントの今年は2年目で、4万ドルの予算と1万5000ドルの賞金は国内でもっとも潤沢な予算を持つアートイベントの一つだ。