パースで開催されたLNG18会議の歓迎式典でのスピーチに先立ち、マルコム・ターンブル豪連邦首相とコリン・バーネット西豪州首相はオーストラリア最大の資源プロジェクトである、西豪州ピルバラ沿岸70Kmに位置するバロー島のゴーゴンLNGプロジェクトを視察した。
巨大なプラントは建設時には最大で10,000名を雇用し、最終的には豪州LNG生産の1/5を占める予定だ。ゴーゴン・プロジェクトにより2020年までにカタールを抜き、オーストラリアは世界最大のLNG生産国へとなる。
バーネット西豪州首相とともに記念碑を公開する前に、ターンブル首相は次のように述べた。「まさにオーストラリアの偉大な業績だ。豪州がよりクリーンでグリーンな環境へ移行している今、ガスは極めて重要な要素となる。」
ゴーゴン初のLNGを3月21日に出荷して間もなく、主要な機械トラブルがトレイン1のプロパン冷媒回路にて見つかり、3つの生産ラインの1つのみが完成予定だ。ロイ・クリズウォシンスキー(Roy Krzywosinski)シェブロン・オーストラリア常務取締役は首相らに対し、このトラブルは対処が必要だが大きな問題ではないことを説明した。首相らはゴーゴンの施設をバスで視察した。
ジョン・ベリー駐豪米大使は、アメリカはアポロ月面着陸ミッションへ費やしたものと同等のものを豪州LNG産業に費やしてきたと述べた。
ターンブル首相はゴーゴン・プロジェクトが環境承認を得た際、ハワード政権で環境大臣を務めていた。生活環境が適さない状況にも関わらず、バロー島はカンガルーやイワワラビー、バンディクートやフサオネズミカンガルーなど野生生物が多様である。そのうち24種はバロー島の固有種であるため、島は特別な環境保護条約下にある。
島への害虫や動植物の侵入を防ぐため、厳しい検疫制度が実施されている。観光客や漁師は立ち入りが禁じられており、さらに車両は速度制限のある未舗装道路から出ることを禁じられており、備品を含むすべて補給品は汚染を防ぐため収縮包装されている。
シェブロンとパートナーらは、長期的には南極のような場所での資源抽出の許可を政府から得るため、ゴーゴン・プロジェクトを産業が環境保護地域でも操業できることを実証するプロジェクトとしても利用したい考えだ。ジョシュ・フライデンバーグ豪連邦資源大臣はゴーゴン・プロジェクトの初ガス生産は豪州の「ガス黄金時代」の大きな節目となるだろうと述べた。
「プロジェクトの規模、イノベーションそして投資額すべてが史上最高であり、それが99%オーストラリア人によりなされた。たったの30年間で、豪州は初のLNG輸出から2020年にはカタールを抜き世界最大のLNG輸出国にまで成長してきた。その間、豪州経済に数十億ドルをもたらし、地域の戦略的な強さを増加させ、幾万もの雇用をもたらしてきた。」
天然ガスは液化される前、二酸化炭素が取り除かれバロー島海底深くの貯留層へ再注入される。これは同様の二酸化炭素回収貯留(CCS)プロジェクトでは最大のもので、これによりLNG1トンにつき、二酸化炭素はたったの0.38トンしか排出されないためゴーゴン・プロジェクトのLNGは世界一クリーンであると言える。
写真:マルコム・ターンブル豪連邦首相(左)とコリン・バーネット西豪州首相
(出展:Australian Financial Review)
出展: The Western Australian