サンダルウッドは西オーストラリア原産の樹木で、南西部の準乾燥地帯で育つスピカタム(spicatum)種の収穫や輸出は、100年以上前の西オーストラリア経済発展の初期段階に重要な貢献を果たした。より近代になると、サンタノル社(Santanol)やクインティス社(Quintis/前TFS)などの民間企業数社がサンダルウッドを気候の最適な、遠く北部のアウトバックへ植樹した。その過程で、サンダルウッド農園の世界最大の栽培企業となった。
植樹から10年以上が経ち、プランテーションが成熟期を迎えることで、これらの企業にとって15年間の忍耐が今ようやく利益をもたらそうとしている。サンタノルは約2,200haのサンダルウッド農園をオード川灌漑地域のカナナラ(Kununurra)で管理している。サンタノル社レミ・クレロCEOによると、2014年に初の収穫を行い、年間トン単位での販売を行っている。「香料や処方を作る際、顧客に対し安定した製品を提供する必要がある。我々のような10年以上の供給を保障できる企業との取引を希望するだろう」。
インドは歴史的に独占的な供給元であったが近年、政府の入札による販売が落ち込んでいる。新たな分野からの需要、インドの生産量減少、オーストラリアで成熟した農園を再現することの難しさからクインティスは将来性に確信を持っている。また当社は、カナナラ周辺の5,500haを含む西豪州北部、北部準州、クイーンズランド州に持つ12,000haのプランテーションからの生産量を増加させる計画だ。
クインティスは異なる段階で成熟する540万本のサンダルウッドを管理しており、当社ホームページによると2014年に初の商業的収穫を行った。サンダルウッドは、水分やその他の栄養素を土壌から取り入れるための宿主植物を必要とし、自らを半寄生とするが収穫時は丸ごと収穫される。クインティスは樹のほぼ全てを利用し、自社のマウント・ロマンス蒸留所で精製したオイル、ウッドチップ、ウッドパウダー、樹脂の販売を行っている。
出典: Bloomberg.com. The Australian