「美味しい蒸留酒が飲みたければ、西豪州へ行け」というのがオーストラリア蒸留酒賞(ADSA: Australian Distilled Spirits Awards)からのメッセージだ。西豪州の蒸留酒メーカー2社が、オーストラリア蒸留所年間最優秀賞に同時に選ばれたのだ。合計10カテゴリーのうち、6カテゴリーで西豪州を拠点とする蒸留所が金賞を受賞した。
西豪州ヘンリーブルック(Henley Brook)でジンとウォッカを製造するOld Young’sと同州カナナラ(Kununurra)を拠点とするHoochery蒸留所は大変異なるのだが、両社がトップ3の得点で全く同じ平均点をとり審査員により勝敗が決められなかった。
Hoochery蒸留所は現代の蒸留酒製造以前の1995年に、サトウキビ農家がその余剰分の商品化を目指し設立された。オード川流域に位置し、特製の製造所で年間約5万バレルのラム酒を製造している当社は現在、操業している蒸留酒製造所として西豪州最古となった。カリン・フレッチャーとその父スパイク・デザート3世が、日中は40度以上、夜間は5度以下にまで下がる気温に加え、豪雨という西豪州特有の環境に対処するため製造所を手作りした。
「ここはカリブと近い緯度に位置しており、高温のため発酵を管理しないといけない。しかし一方で特に乾季には日中はとても暖かく、夜はとても冷えるという独自性もある。この大きな温度変動により熟成過程を大変早くすることができる」とフレッチャー氏は言う。
Old Young’sは2016年設立の新顔で、地元ブドウ園のワイン用ブドウとともに部分的に発酵させたウォッカやスモークしたウォッカ、焼いた砂糖とキウイフルーツを加えたPavlova(パブロバウォッカ)など独自のウォッカを製造している。当社のような若いブランドにとってADSAでの受賞は大きな誇りとなる。
当ブランド主力ウォッカ、Pure No 1はまたADSAでウォッカ金賞を受賞しており、今年のアメリカン蒸留協会賞(ADIA: American Distilling Institute Awards)の国際ウォッカ金賞にも選ばれている。Old Young’sはまたADIAにおいて、Pavlovaが国際フレーバードウォッカ部門で金賞受賞のほか金賞2つ、銀賞2つ、銅賞1つを受賞した。
今年のADSAには約70社の製造メーカーから240件を超えるエントリーがあり177件が受賞した。ADSAはビクトリア州ロイヤル農業組合が運営しており、オーストラリア国内唯一の蒸留酒賞である。
2017年オーストラリア蒸留酒賞(ADSA)の受賞者一覧
西オーストラリア州蒸留酒メーカー
オーストラリア蒸留所年間最優秀賞(Champion Australian Distiller) 2社同時受賞
Old Young’s
Hoochery Distillery
ジン金賞(Champion Gin)
The West Winds Gin The Broadside (Navy Strength)
The Tailor Made Spirits Company
ウォッカ金賞(Champion Vodka)
Pure No. 1
Young’s
ラム酒金賞(Champion Rum)
Ord River Rum – Premium
Hoochery 蒸留所
オルタナティブ蒸留酒金賞(Champion Alternative Spirit)
Mandarinello
Gidgegannup 蒸留所
スモールバッチ賞(Champion Small Batch Spirit)
Red Hen Gin
Small Batch Distilling T/A Red Hen Gin (南オーストラリア州)
出典: The Drinks Association , Executive Style