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2013.07.25

日銀、日本経済は回復しつつあると判断

日本銀行は、7月11日の政策委員会・金融政策決定会合において、景気は回復しつつあるため金融政策運営については現状維持を決めたと発表した。この景気回復基調にあるとの判断は2年半ぶりのもので、円安と日銀の金融緩和策がポジティブに働いていることが反映している。日銀は経済再生を掲げる安倍晋三首相の目標でもある、2016年3月までの物価上昇率を2%とする予想は変更していない。

日銀は、マネタリーベースが年間約60兆~70兆円(6500億~7580億ドル)に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うことを全員一致で決定した。 日銀総裁は、2日間の会合の後「日本経済は緩やかに回復しつつある」と述べ、7ヶ月連続で景気判断を上方修正した。日銀が「回復」という表現を最後に使ったのは、日本に大打撃を与えた東日本大震災が発生する2ヶ月前の2011年1月であった。

日銀は、長期にわたる円安が輸出を支え、アベノミクスによる景況感の高まりにより個人消費や業況感が生み出されるなど、日本経済への明るい見通しを示唆している。

日銀は、設備投資は企業収益が改善するなかで下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられているとし、鉱工業生産は緩やかに増加しているとしている。

設備投資の先行指標となる機械受注の5月実績は、予想を大きく上回る前月の10.5%増で、この景気判断を裏付けている。こうした日銀の明るい見通しにより、経済及び物価予測が見直される10月下旬までは追加の金融緩和策は行なわれないであろうと、アナリストは述べている。

世界市場の不安定性は日本経済にほとんど影響を及ぼさなかったようで、昨年後半の景気後退から抜け出て3月期四半期の成長率は年率換算で4.1%であった。 国際通貨基金は、日銀の金融緩和策を評価し、日本の今年の成長予想を2%としたが、これはG7各国の中で最も高いものである。

日銀は、4月に中間評価として2014年度の消費者物価上昇率(除く生鮮食品)の予想を0.7%から0.6%へ修正したが、これは物価が下がっている影響だとみられる。また来年度の消費者物価上昇率(除く生鮮食品)予想も1.4%から1.3%へと微調整したが、2016年度は1.9%で変更を行っていない。

これらの予想はエコノミスト達の約1%という数字よりかなり強気であるが、多くのアナリストは、15年近く続いたデフレからそれほど早く抜け出ることができるかどうか疑問であるとしている。