財務相 クリスチャン・ポーター(Christian Porter)
西オーストラリア(WA)州政府は、今年度予算の目玉として数世代後までにわたる「未来基金」として10億ドルを予算化した。WA州の限りある鉱物資源の利益から、今後20年間で47億ドルを将来世代のための基金とする。
WA州が国経済の中心的な役割を果たしているにもかかわらず、国はWA州への支出を減らしている。そのため現在WA州はかつてないほどのインフラ整備需要が高まっているが、厳しい経済情勢下で2回目の予算編成を行わねばならなかった、とクリスチャン・ポーター財務相は述べた。州政府の今年度決算は1億9600万ドルの黒字で、負債は151億6000万ドルであった。しかし2012-13年度負債は185億4000万ドル、2014-15年度負債は231億5600万ドルへ増えると見込まれる。
ポーター財務相は厳しい州財政について次のように述べた。州経済は好調で、人口も週に約1000人の増加を記録し続けるほどの勢いで伸びているが、それは同時にインフラ整備も早急に進めなければならないことを意味し、今後4年間の増収予測が年平均6.5%である州財政では需要に追い着くことはできない。WA州は国家経済全体を支えているが、皮肉にも国政府はWA州に対して2012-13年度に6億6200万ドルのGST支出削減を行う見込みだ。
そういう中でもポーター財務相は「パース及びWA州各地域の再構築」として驚異的とも言える総額76億ドルのインフラ事業を発表した。その内訳はグレアム・ファーマー・フリーウェイ(Graham Farmer Freeway)のトンネル拡張及びミッチェル・フリーウェイ(Mitchell Freeway)の改良工事への1億500万ドルを含む交通関連整備事業に39億ドルを支出する。
また2019年に竣工予定のパースのノースブリッジ(Northbridge)文化地区に建設される博物館への4億2800万ドルの支出。新生パースを形成する「パズルの最後のピース」である博物館、それにアリーナ、スタジアム及びウォーターフロント整備事業により、パースはオーストラリアで最も美しい都市となる、とポーター財務相は語った。
その他の主要予算内訳:
・パース・ウォーターフロント事業 1億6700万ドル ・医療関連事業 4億6200万ドル 2014~15年に開始されるフィオーナ・スタンリー(Fiona Stanley)病院及び ロイヤル・パース(Royal Perth)病院の改良工事費2億8100万ドルを含む ・中小企業者への給与税払い戻し 1億2800万ドル