西オーストラリア(WA)州政府、ウッドサイド・エネジー社(Woodside Energy Ltd)、グーララブールー・ジャビル・ジャビル(Goolarabooloo Jabir Jabirr)伝統的土地所有グループとの三者の間で、キンバリーでの液化天然ガス事業を推進するための歴史的な合意が成立した。
ブルームの北60kmに位置するジェームス・プライス・ポイントの伝統的土地所有者は、3,500haの土地所有権と水利権を放棄し、その対価として先住民のための住宅、教育、社会問題などへの対策資金、また環境や伝統文化についても継続して保全管理することで同意した。該当地区は、GJJ伝統的土地所有地域(251,500haの土地と水利)全体の1.5%にあたる。
コリン・バーネット(Colin Barnett)州首相は、4年間の交渉を経て合意に至ったこの協定により、LNG用地としてキンバリーで最適な土地を確保できることは、この事業にとって大変意義深いことであるとし、「この協定により、キンバリーの先住民は、より高いレベルの経済的自立を得ることになり、現実的和解プロセスの一里塚である」と述べた。
WA州政府は、この地域特有の問題を尊重し、世界的にも認められた環境管理体制を協定に盛り込んだ。ジェームス・プライス・ポイントは、居住地から離れた場所であるが、この用地は州政府の管理下となり、ウッドサイド社と将来の開発提案者に賃貸される。
ガス事業の終了によりこの用地が使われなくなれば、この地区は自由保有として伝統的土地所有者に返還される。WA州政府と開発提案者であるウッドサイド・エネジー社による多くの確約が盛り込まれた協定が締結されれば、オーストラリアの歴史においても最も重要な伝統的土地協定となる。伝統的土地所有者とダンピア半島及びその周辺の先住民コミュニティの利益のために、この協定により地域固有の包括的な体制を確立する。
「WA州政府は、伝統的土地所有グループとともに、キンバリー及びその周辺地域の先住民の生活を改善するために、ソーシャルプログラムのいくつかをスタートさせる」と州首相は語った。
この協定は、2011年6月末までに締結されると予想され、ウッドサイド社は、12ヵ月以内にこのプロジェクトに関しての最終投資決定を作成する予定だが、土地使用期間は50年以上に渡るとみられる。