2014年4月7日東京にて日豪経済連携協定(JAEPA)の締結がトニー・アボット オーストラリア連邦首相、安倍晋三首相により発表された。日豪は補完的な経済パートナーであり、JAEPAはオーストラリアにとり2番目の輸出市場、貿易パートナーである日本への同国の関わりをより深めるものとなりそうだ。
2012-13年の両国間の貿易額は693億ドルにのぼり、豪州輸出総額の11%を占め、豪州から日本への輸出額は486億ドル(オーストラリア輸出総額の16%以上)で、内465億ドルを商品輸出が占めた。日本は豪州のLNG及び石炭の最大の輸出相手国であり、輸出額はそれぞれ140億ドル程である。 サービス輸出総額は21億ドル(大半は旅行関係のサービス828百万ドル、輸送サービス596百万ドル)。
2012-13年、日本からの輸入総額は206億ドル、内 商品輸入が183億ドル、サービス23億ドル(含輸送サービス10億ドル)。
JAEPA概要:
JAEPAは日豪経済関係において歴史的な発展である。この締結は豪州の農業生産者、資源輸出者、各種サービス会社そして消費者に大きな利益をもたらすだろう。特に生産者、輸出者には多大な競争力という利点を与える。豪州は日本の高い輸入障壁を破った最初の農業輸出国である。
JAEPA が完全に施行されれば、97%以上の日本への豪州輸出者は優先的アクセスもしくは関税フリーを得られる。また、豪州の消費者は低価格の自動車、家財や家電などを購入できるようになる。
また、JAEPA 締結は日本の投資者にオーストラリアは魅力的な投資先であるという明確なメッセージを送ることができる。初めの段階でのふるい分けにより日本から豪州への投資をより大きく、多様性のあるものにすることができる。また、両国間の投資において改良された保護性、確実性をもたらす。
農作物:
豪州からの多くの農作物への219%に及ぶ関税は取り除かれる、もしくは大幅に下げられる。牛肉、砂糖、園芸、ワインそして海産物は日本市場へ優先的アクセスを持ち、羊毛、綿、子羊の肉、ビールは関税フリーとなる。
工業用品:
99.7%のオーストラリアからの工業用品は関税フリーとなり、10年間で99.9%削減される予定。完全に施行されれば、オーストラリア工業用品は100%関税フリーで日本市場へ輸出される。
エネルギー&鉱物資源 :
エネルギーと鉱物性生産品は日本の豪州からの輸入額の89%を占める。施行されれば、10年間の早い段階でエネルギー、鉱物性生産品への関税は取り除かれる。すでに石炭、鉄鉱石、LNG、等の多くの豪州の主要な資源輸出会社は日本との関税フリーを締結しているが、日本は10年をかけ、純粋なニッケルや鉄マンガン等の全ての資源生産品の関税を取り除く予定だ。
工業製品:
日本は現在、工業製品に30%までの関税を課している。JAEPAのもとでは、豪州からの243百万ドルの関税が取り除かれ日本へ輸出される。
サービス:
JAEPAにより豪州のサービス供給者は金融、教育、遠隔通信や司法サービスの分野で開発の進んだ日本市場へアクセルすることができるようになる。この締結により日本がこれまでに締結した他の協定のなかでもっともよい方針と同等もしくはもっとよい結果を豪州にもたらすだろう。
投資、知的財産、政府調達 :
JAEPA 締結は日本の投資者にオーストラリアは魅力的な投資先であるという明確なメッセージを送ることができる。初めの段階でのふるい分けにより日本から豪州への投資をより大きく、多様性のあるものにすることができ、日本の個人の投資は外資審査会(FIRB)によると248-1,078百万ドルと想定されている。