LNG業界は今後、市場の発展に伴い買主間のより強固な提携や、相互にとりメリットのある取引を経験するだろうと国際石油開発帝石株式会社、代表取締役社長の北村俊昭氏はLNG18会議にて述べた。「業界内で大きな構造変化が起こっている。LNG買主はかつて、長期の安定したLNG供給を優先したが、供給増加による市場緩和により、買主はますます契約期間、調達量や送り先といった契約条件の柔軟性を追求する傾向にある。」
北村氏はまた、「需要の不透明性により買い手は契約の柔軟性を利用し、買主間で売買を行うことを期待している。この買い手の需要の変化に対応するため、サプライヤーは効率的な開発および運営により、そのプロジェクトの競争力を早急に高める必要がある。」と述べた。
「そのためには、経営者としてのプロジェクト遂行の経験と最新技術の積極的な利用が必要である。また同時に、多様化する買い手の需要に対応するためサプライヤーは売買契約にある程度の柔軟性を取り入れることは避けられないだろう。」と付け加えた。
北村氏の言うLNG買い手同士の連携増加は、東京ガスと関西電力の提携により4月に裏付けられた。日本の電力、ガス大手2社が豪州ウッドサイド・ペトロリアム社のプルート・プロジェクトや米ドミニオン・リソーシズ社のコーブポイント・プロジェクトからのLNG調達において連携することで合意した。
関西電力、東京ガスは現在のLNG市場の混乱を乗り切るために調達における柔軟性の向上を期待していると述べた。また2社はLNG発電所における技術提携も締結する予定だ。