西オーストラリア州政府

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2022.06.24

西オーストラリア州政府 温室効果ガス排出量削減に意欲的な中間目標を策定

2022年6月23日(木)

【要旨】

  • 西オーストラリア州政府は、2030年までに州の温室効果ガス排出量を2020年比の80%削減目標とする
  • ビジネス、産業、経済界全体に対するリーダーシップを発揮するための重要な目標策定
  • 気候変動対策は、西オーストラリア州経済を多様化させ、長期的な雇用創出に不可欠なものである

マガウワン労働党政権は、政府全体で2030年の温室効果ガス排出量を2020年比で80%削減を合意し、排出量実質ゼロの達成に向けた取り組みを実施する。

この意欲的な排出削減目標の表明は、政権の責任あるリーダーシップを示するともに、西オーストラリア州のビジネスと産業界に対し、気候変動対策と排出削減が州政府の優先事項であることを提示している。さらに、再生可能エネルギー発電投資に対する西オーストラリア州の意欲的な姿勢を明確化している。

この2020年比80%減という暫定目標は、運輸・保健・教育など州内のすべての政府機関の排出量と、政府取引企業(GTE’s)から発生する排出量に適用される。

この公約は、Synergy社が告知した2030年までに石炭火力発電から再生可能エネルギー発電へ移行する計画発表が背景にある。風力発電や蓄電池など、サウスウエスト・インターコネクション・システム (SWIS)の新しいグリーン電力インフラに約38億豪ドルを投資し、排出量の削減、電力の安定性、そして低価格化を確保する予定である。

これは西オーストラリア州において、METRONET以来最大のインフラ計画であり、低炭素で信頼性が高く、安価な再生可能エネルギーの未来に向けて州を整備し、西オーストラリア州での数千の新たな雇用創出へ繋げる。

また、州政府は2030年以降、SWISでの新規の天然ガス火力発電所の建設予定がないことを約束している。

政府はこの目標を達成するため、エネルギーの効率化対策、再生可能エネルギーの調達、公用車の排出量削減、ローカルオフセットの利用など、政府の純排出量を削減するさまざまな取り組みを実施する予定だ。

また、セクター別排出削減戦略(Sectoral Emissions Reduction Strategies, SERS)の策定を通じて、確実で信頼できる排出削減経路を特定するため、企業、産業界、研究機関との共同作業を継続していく。

マガウワン首相によるコメント:

「政府は、意欲的な気候変動対策を掲げており、責任を持って実施するだけの力量もある。気候変動への対策は、西オーストラリア州経済の多様化、長期的な雇用の創出、環境への影響の管理、そして西オーストラリア州民の健康と福祉を守るために極めて重要である。この中間目標は、政府が本気で気候変動に取り組み、健康で豊かな低炭素の未来に向けて西オーストラリア州を立ち上げるというメッセージを、より広い経済圏に発信するものである。」

リース ウィットビー気候変動対策大臣のコメント:

「我々は今、気候変動に対して行動をとるべき10年の渦中にいる。気候変動の有識者による第6次評価報告書では、温室効果ガスの排出を急速に削減しない限り、パリ協定に沿った気候変動の影響の抑制は達成不可能であることが明らかである。政府による排出量削減の為の様々な取り組みがある中、関係者と協働しながら、今後数年間にわたり実現に導く予定である。本日の発表は、排出量削減における州政府のリーダーシップを強く打ち出すものである。西オーストラリア州のビジネスや業界のリーダーたちにも、今後数ヶ月の間にSERSの開発に取り組む中で、同様の熱意を持つことを期待している。」