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2023.12.06

12月29日(金)公開「ブルーバック あの海を見ていた」

ブッカー賞に2度ノミネートされた実績を持ち、オーストラリアで最も広く親しまれている作家ティム・ウィントンのベストセラー小説に基づいた「ブルーバック あの海を見ていた」が、昨年日本でも公開され好評を博したクライム・サスペンス「渇きと偽り」のロバート・コノリー監督にて映画化されました。ターコイズブルーの海に育まれた母と娘の絆の物語を、環境保護のメッセージをこめて紡ぎ上げた感動作です。

2023年12月29日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAやシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開されます。

予告編:「ブルーバック あの海を見ていた」

公式サイト

原作は2007年に日本でも翻訳されており、第54回(2008年度)青少年読書感想文全国コンクール小学生高学年の部の課題図書にも選出されました。

若き海洋生物学者のアビーは、母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、故郷の西オーストラリアに帰ってくるところから物語は始まります。美しい海を一望できる実家で口がきけなくなったドラを世話するアビーは、この家で過ごした少女時代に思いを馳せていきます。8歳の誕生日にロバーズヘッドという入り江に初めて潜り、巨大な青い魚の”ブルーバック”と出逢った宝物のような体験。そして環境活動家だったドラから、豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。そんなかけがえのない日々を回顧し、自らの原点を見つめ直したアビーは、自然保護に人生を捧げた母の意思を受け継ぎ、新たな一歩を踏み出していく・・・・。

作者ティム・ウィントンは1960年生まれ、西オーストラリア州パース出身。西オーストラリア工科大学(現:カーティン大学)在学中に執筆した最初の小説「An Open Swimmer」(81)で、新人作家に与えられるヴォーゲル文学賞を受賞し、作家としてのキャリアをスタートさせました。

これまでに30冊以上の本を発表し、ブッカー賞に2度ノミネート、オーストラリアで最も栄誉あるマイルズ・フランクリン文学賞を4度受賞するほか、数多くの文学賞を受賞しています。国内で最も偉大な作家といわれ、小説、児童文学、フィクション、ノンフィクションと幅広い活動を続けています。本作「ブルーバック」は97年に発表され、*1ウィルダネス・ソサエティ環境賞、*2WAYRBAホフマン自動文学賞を受賞しています。作家活動の一方、環境保護活動にも尽力し、その顕著な功績が評価され、オーストラリア勲章の役員に任命されています。彼の作品は、普遍的な人間の真実が語られることが多く、常に環境をテーマとし、オーストラリアの風景が登場します。代表作には日本語に訳された「Breath」(08)の他、「Clouldstreet」(91)、「The Riders」(94)、「Eyrie」(13)などがあげられます。

*1ウィルダネス・ソサエティ環境賞:トンガス国有林の保護活動を行うアメリカの環境団体。

*2WAYRBAホフマン自動文学賞:西オーストラリア州青少年図書館賞。若い読者を対象に州全体の読者が選ぶ賞。