福島県飯舘村の中学生グループが、8月2日より西オーストラリア州に招待され、10日間にわたって交流を深めた。このプログラムは被災者支援組織のメイトロック(Mate Rock)、MLA(豪州食肉家畜生産者事業団)、豪日交流基金及びパースの日本商工会議所の支援により実施された。
2011年3月11日の東日本大震災により多大な被害を被っている飯舘村の中学生代表16名は、10日間の異文化交流プログラムを楽しんだ。WA州農業食糧省テリー・レッドマン(Terry Redman)主催の歓迎レセプションの後には、アルバニー(Albany)のグレート・サザン中学校(Great Southern Grammar school)の生徒達の家庭にホームステイするなど、彼らのために様々なアクティビティが準備された。東日本大震災・被災地支援活動「いっしょにがんばろう日本(Together with Japan)」を行っているMLAの協力の下、和牛「飯館牛」の産地として知られている飯館村の中学生達は、オーストラリアの肉牛飼育業がどのように営まれているかを見学するために現地の牧場も訪問した。
メイトロック設立者エイドリアン・ベル(Adrian Bell)は「私達の間には、すでに人と人との結びつきがあり、昨年の大災害を乗り越えようとする地域社会を支援する際に大きな違いとなって表れた。震災後自宅から避難している中学生達を、オーストラリアの子ども達の家庭に迎えるなどのプログラムを実現できたことを大変嬉しく思っている。この交流プログラムが、日本とオーストラリアの子ども達との将来にわたる架け橋になってくれると信じている」
この訪問前に飯舘村教育長の廣瀬要人氏は「今回の交流プログラムに参加する生徒達は、オーストラリアの文化を学び、現地で英語を勉強できることを今から心待ちにしています」とコメントし、また飯舘村議会議長の佐藤長平氏は「被災地の生徒達は、彼らの家族と同様に昨年の震災以来、大変厳しい生活を送って来ました。彼らにとって、この海外で見聞を広めることほど価値ある経験はありません。日々のつらい思いも吹き飛んでしまうような楽しい思い出をたくさん作ってきてほしいと思います。今回こうした機会を作っていただいたオーストラリアの友人の方々には心から感謝申し上げます」と述べた。
メイトロックは、2011年3月の東日本大震災後に立ち上げられた支援組織で、 被災地の生徒達をオーストラリアに招き、人と人をつなぎ文化交流を図る教育支援活動を行っている。
このプログラムについての詳細は下記へ。http://iitate-australia.blogspot.jp/