西豪州の食品飲料製造業はおおよそ55億豪ドルに達しており、当州経済にとって重要な産業である。当州では厳格な検疫制度と豊かな自然環境により、クリーンで安全な農畜産物が多く生産されている。また州内の交通インフラも整備されているためサプライチェーンが確立されており、投資家にとって優位点と言える。
近年アジアで富裕~中間層の消費者が増加している中、隣接している西豪州のグルメ食品市場は高成長を成し遂げている。海外の投資家も当州の食品産業に注目しており、 2012年にはキリンホールディングスの子会社、ライオンネイサン社がフリーマントルに拠点を置くビール会社リトル・ワールド・ビバレッジ社(主要ブランド名、リトルクリーチャー)を100%子会社化に、2011年中国のブライトデアリー社がマーガレットリバーチーズ社とマンデラフーズ社のチーズとヨーグルト加工事業を買収した。
現地の西豪州農業食品省では予備調査(プレFS)や、投資機会の詳細提供、可能性のある共同出資者や投資家の紹介、必要な政府の許認可など、様々なサポートを行っている。西オーストラリア州政府駐日代表部でも投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
西豪州Jetway Holdings社は、パースから北177kmに位置するムーラ地区の外れにある1400ヘクタールの土地に肉用牛肥育場と食肉処理場の開設を予定しており、現在出資者もしくは合弁事業パートナーを探している。
ムーラは放牧地帯で、1400へクタールの土地も現在牛の放牧に利用されている。牛の生体や加工肉、飼料等の輸送に欠かせない道路も整備されており、穀物地帯や西豪州の2つの主要輸出港(フリーマントル港やジェラルトン港)へのアクセスも良好である。
この土地で14,900頭の肥育をする環境許可は2005年に取得しており(更新の必要有)、将来的に20,000頭まで拡大し食肉処理場を併設させることが可能。年間190,000kLの地下水を使用する許可も保有しており、肥育場開設後は使用量を年間750,000kLに拡大することも可能。これは、20,000頭の牛に1日70Lの飲み水を与えても十分な量である(年間511,000kL)。
西オーストラリア州政府駐日代表部では様々な投資情報の提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
ムーラ地区における、肉用牛肥育場と食肉処理場開設の投資機会について
西豪州は羊生体輸出においてオーストラリア全体の約70%に及ぶ羊を輸出している。食肉、生体ともに生産から食肉解体所、国内輸送から国際空港や港までのインフラも整っている。
西豪州の羊肉産業は、増加する国際的な需要に応える為、羊肉生産量の増加につながる投資を求めている。現在、西豪州には推定1500万頭(810万頭の雌羊を含む)の羊の群れがあり、今後の増加する世界需要に対応する為、1700万頭から最終的には2000万頭に増産する必要がある。
92%にあたる羊が比較的降水量の多い穀物ベルトで飼育されており、ロジスティック面でも優位である。2000万頭の羊の群からは年間約200万頭が増産されており、これは羊肉輸出可能量にして約50万トンとなる。また西豪州は世界の羊肉の5%を輸出しており、生体に於いては21%の輸出量を占めている。長期にわたるアジアや中東のマーケットに的を絞った投資家向けの共同投資機会が、現在多く存在する。
具体的な投資機会
上記は、当州羊肉産業の現行または将来のサプライチェーンのビジネスケースの概要であるが、これ以外にも枝肉、加工肉の輸出や契約加工事業、食肉加工施設とボーニングルームの買取もしくは共同出資、生体の契約輸出、生体輸出向けロジスティックへの共同出資などの投資機会もある。西オーストラリア州政府駐日代表部では投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
西豪州の年間生乳生産量は現在約3億2000万リットルで、現在国内の乳製品向けが中心となっている。当州の酪農産業(酪農家、乳製品メーカー)の連合会であるWestern DairyやWA Farmersは、国内外の投資家と共同で輸出向けに生乳生産を増やすことに高い関心を向けている。
西豪州は乳製品の需要が高いアジア諸国に最も近い州であり、生乳やESL牛乳の輸出向け生産地に適していることが優位点としてあげられる。また、豪州は孤立した大陸とその厳格な検疫制度により、口蹄疫や狂牛病、牛結核病など深刻な家畜病や病害虫の発生がない。特に西豪州は大陸中央部の砂漠地帯によって東部諸州からの病害虫の進入が遮断されており自然な隔離状態を形成しているため、他州ではある肝吸虫やヨーネ病などの発生がない。国際ファーム比較ネットワーク(IFCN)などの国内外の評価機関は、酪農に適した気候と牧場・穀物牧草資料生産に使用可能な広大な土地を有する点から、西豪州は生乳生産コストに競争力のある地域であると評価している。
西豪州農業食品省は投資の選択肢として以下の可能性をあげている:
西豪州農業食品省は、輸出向けの1億リットルの生乳生産と、30000トンの全脂粉乳生産(生乳必要量 2億5000リットル)の2つのビジネスモデルに関する予備調査を実施。添付資料に調査結果の詳細が掲載されている。
西オーストラリア州政府駐日代表部では投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
西豪州政府は2015年8月4日、養殖産業とともに新たな養殖開発に取り組むことを公式文書で発表した。
西豪州の2012/13年度商業漁業生産額は4億2700万豪ドル、その内養殖業(真珠も含む)は9600万豪ドルに達する。世界で著しく養殖産業が成長している中、西豪州の広い海域は大規模な養殖開発において持続可能な競争優位性を有しており、更なる発展が期待されている。州政府は、西豪州北部のキンバリー地区と中西部のミッドウエスト地区の海域における養殖区域の開発に対し、185万豪ドルの財政援助を通じ支援することを誓約している。州政府はこの2つの養殖開発区域への投資に即応しうる養殖区域開発、規制緩和、優れた魚類防疫機能、区域内での水産資源へのアクセスに対する確実性の提供など、投資促進のために取り組んでいる。
ミッドウエスト養殖開発区域
ジェラルトンの西、アブロホス島周辺の海域3000ha。2016年中旬に環境許認可が下りる予定で、養殖区域のリース、許可の申請受付は2016年度末となる模様。この区域は利益性から主にヒラマサの養殖が適していると見ているが、マグロやハタ科など他の魚種も養殖可能。
キンバリー養殖開発区域
ブルームの北東、コーンベイに位置する2000haの区域。この区域ですでにバラマンディーを養殖している企業には、年間2000トンから7000トンに生産量を増やす許可が下りた。更なる養殖権の付与による養殖の拡大を見込んでおり、おおよそ20000トンの魚類が生産できる。2015年9月に養殖区域のリース、許可の申請を受付開始する予定。バラマンディー以外の養殖も可能。
上記の養殖区域以外にも、西豪州ではエビやアワビ、イガイ、カキ、淡水魚などの養殖も促進している。西オーストラリア州政府駐日代表部では投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
西豪州はシリアルヘイの生産に適した気候と広大な土地に恵まれており、国内需要のみならず世界規模のシリアルヘイ輸出ビジネスを設立する拠点として理想的な立地である。シリアルヘイ、特にオーツヘイに関しては過去10年以上の間に日本、韓国、台湾や中東の国々からの需要が伸びており、利益率の高い産業である。また今後の中国での酪農業の拡張においても、需要が見込める。
当州のシリアルヘイ産業の利点として、他のグラスヘイと比べて価格が高いこと、生産地から輸出港であるフリーマントル港までのロジスティックネットワークが既に確立されていること、商品が持つ非常に優れた消化性と食味、また厳しい品質管理と評価システムにより、国内外での強い市場性を誇っていることがあげられる。
<シリアルヘイ産業の概要>
西豪州での粗飼料生産はオーツヘイが主要であるが、ウィートベルト地帯中心部で栽培されている小麦から産出される大量のクリーンなシリアルストローなどもある。このウィートベルト地帯はジェラルトンの北部ノーサンプトンからアルバニーの南海岸、西はエスペランスまでの約900万ヘクタールに及ぶ。降水量も比較的多く、シリアルヘイ栽培に適した地域での効率的な生産により、年間約1億豪ドルを上回る価値となる。
オーツヘイに関しては酪農牛に適した粗飼料となり、主成分である水溶性炭水化物はすぐに牛のエネルギーと変換され、生乳の生産性においても大変効果的である。この他、高い品質を誇る西豪州産のシリアルヘイはAustralia Fodder Industry Association (AFIA)の品質評価システムをもとに格付けされる。西豪州には13の既存ヘイ輸出業者がおり、作付プログラムや生産性向上などの情報交換も可能である。また彼らは、高品質かつクリーンでグリーン、病害虫フリーの生産を保つため、色、品質、消化性、糖度などを定期的に観察している。これらの企業は オーストラリア連邦政府の検疫規則に沿って認定された施設を保有し、輸出ライセンスを取得している。
具体的投資機会
・シリアルヘイの国内生産
・アジアマーケットへの販売及び卸売業務
・インフラと資本投入
添付資料には、当州でシリアルヘイの生産、輸出事業に投資するにあたる財務分析の結果が掲載されている。西オーストラリア州政府駐日代表部では投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
西豪州は全豪の穀物生産の40-50%を占めており、豪州最大の穀物生産州である。特に小麦の生産が大きく、うどん用に使われる小麦の約8-9割が西豪州から供給されている。
当州ウィートベルト地帯での穀物生産は投資家に一貫した利益をもたらしており、季節要因で多少の変化はあるものの、非常に稀なケースを除いては過去14年間平均して利益を上げている。多くの穀物生産者は高い利益を上げており、ASXのオーストラリア全普通株指数を超える安定したリターンを受け取っている。また各地域の土地所有者にも安定した資本売却益をもたらしている。
ウィートベルト地帯での穀物生産の利点
西豪州ウィートベルト地帯は、オーストラリアの他の地域と比べても洪水の確率が少ない為、生産リスクが低い。また生産地から輸出港までのインフラが整っており、輸送コストも低い。当州はマイコトキシン、汚染物質、残留農薬のリスクが少なく、他の穀物生産地で問題となっている病害虫の発生がないケースも多い為、クリーンでグリーンな生産地として評価が高い。高度な技術を持った生産者と農業従事者、専門知識をもった技術者や農学者のネットワークも充実している。
近年国内外の投資家による当州の穀物サプライチェーンへの投資が活発になっている。外国企業の土地の購入と購入参画に関しては、対外投資審査機関への申請が必要である。全ての取引は州政府の土地登記への登録を行い、税理士との協議の上、税金の支払いも必要となる。
対外投資機関からの承認は、地方自治体、環境省、運輸省、水道省からの承認も含み申請から承認までは3−6ヶ月ほどかかる。西豪州農業食品省は、これらの投資申請から承認までの活動に精通しており、生産拡大を目的とする投資家を支援している。その他、ファイナンシャルアナリシス、リスクアナリシスなどの情報も提供している。
投資機会として、買切り(農地の購入)、既存生産者とのジョイントベンチャー、共同出資などあり、西オーストラリア州政府駐日代表部では投資案件の情報提供や現地のパートナー企業の紹介をしている。
1. 強い経済成長力
西オーストラリア州のダイナミックな経済は、国際的に開かれた強力な投資の上に成り立っていることを誇っています。州の経済(GSP:州内総生産)は、過去10年間、平均5.21%の成長を記録し、それは同時期のオーストラリアの4.34%(GDP:国内総生産)、OECD加盟国の2.8%の成長を上回りました。現在の世界的な景気後退にもかかわらず、州経済の中長期の展望は堅調な見通しです。
2. 豊かな天然資源
西オーストラリア州の基幹産業である鉱物・石油産業は、中長期的に確実な成長が予測されています。州では、現在50以上もの鉱物・石油製品が商業量として年間約440億ドル規模で生産され、世界でも最大級の生産性や多様性を誇っています。州の鉱物・石油生産量は、オーストラリア国内では頂点に立ち、またいくつかの産品は、国際貿易上においても大きな規模で生産されています。
3. 資源プロジェクト成功の実績
西オーストラリア州には、先進技術を取り入れた、大規模な鉱物・石油加工プロジェクトの優れた開発実績があります。州に投資された世界中の資金は、国際レベルの技術・建設・プロジェクト運営など、この州のもつ卓越した能力と共に運用されます。また州政府は、大手民間企業の資源プロジェクトへの投資を積極的に奨励し、基盤整備をサポートしています。州開発省では、大きな投資の開始や運営を検討している企業に対する援助を行っています。
4. 高い技術と生産性を誇る労働力
西オーストラリア州の高い技術をもつ労働人口は110万人以上で、彼らの技術や教育レベルは、国際的に最も高いものです。また州人口の30%以上は海外出身者で、彼らは世界中の国や企業の人々と、特にアジアとヨーロッパにおいては、コミュニケーションが容易にとれる利点があります。
5. 対外貿易に重点化するビジネス
西オーストラリア州企業の成功は、対外貿易へ重点を置くビジネスにあります。
各企業は長い輸出の経験を通して世界トップクラスとの、特に隣接するアジア市場での取引に熟知しています。州の経済界は電子商取引を直ちに採用し、新しい知識データベース産業の大きな可能性に信頼を寄せています。
6. 低いソブリン・リスクと開発推進政策
オーストラリアには安定した政治体制と適正な法的枠組みが備わっています。
100年以上の議会制民主主義と法の支配は、安全で信頼できる投資文化の基盤をつくっています。信頼をもって選出された国家・州・地域レベルの行政、独立した司法、自由なメディアは、ビジネス関連の法の運用において確実性と一貫性を保証しています。公共の各機関はビジネス関連の規則、許可への必要条件、課税と承認プロセスなどの運営を迅速・確実にするために最新情報や通信技術を駆使しています。州と連邦政府機関はビジネス成長・輸出促進・競争力強化を図るために様々なプログラムを提供しています。
7. 隣接アジアでの市場拡大
西オーストラリア州はアジア・オーストラリア・インド洋地域のあらゆる市場とアクセスできる理想的な距離にあり、それらの地域との貿易ビジネスでの成功を実現することができます。またオーストラリアの中でもインド洋地域に最も近い州であり、そのため現在それらの地域へのオーストラリア輸出の25%を占めています。パースのタイムゾーンは日本より1時間遅く、多くのアジア諸国とは同じタイムゾーンであり、それは通常の営業時間でのコンタクトを容易にし日本やアジア市場へのアクセスにとって強味となっています。またオーストラリアの都市の中でもパースの企業は、営業時間内にヨーロッパともコンタクトをとることができます。
8. 事業用地とインフラ
西オーストラリア州の空・陸・海の包括的輸送サービスシステムはパース市内・州内・各州間・海外目的地へと人々や貨物を効率的に輸送することができます。17,000km以上の無料道路や6,400kmの公共鉄道、1,000kmの民間鉄道を含む西オーストラリア州の広大な陸上輸送ネットワークは力強い事業基盤となり、また貨物輸出のために14の先進的港湾があります。投資事業者はパース近郊や各地域の中心地に事業地を求めていますが、設備の整った民間建物や事業用地は民間市場での売買やリースで取得できます。
9. 海外事務所ネットワーク
西オーストラリア州政府は海外事務所のネットワークを通して、西オーストラリア州への投資のための情報やアドバイス等を提供することによってビジネスを支援しています。
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10. 至福のライフスタイル
世界市場からの豊かな利益と共に、西オーストラリア州の温かくフレンドリーな人々とのリラックスできる生活は、至福のライフスタイルを創り上げています。西オーストラリア州の海外投資事業者のコミュニティには開放的で多文化な魅力溢れる環境が備わり、パースでは世界クラスのビーチとブドウ園など地中海性気候の中での豊かなライフスタイルを手に入れることができます。2009年のエコノミスト・インテリジェンス・ユニットの調査において、パースは世界で5番目の暮らしやすい都市に選出されました。