西オーストラリア(WA)州は国土全体の3分の1を占めるオーストラリア最大の州で、鉱物やエネルギーから豊かな生物多様性に至る豊富な天然資源を保有することで知られています。WA州の豊かなライフスタイルは、約200万人の人々による自立・協力・技術革新の精神に支えられた天然資源の知的管理があったからこそ実現したのです。
革新的なバイオテクノロジーは、世界をリードするWA州の鉱山業および農産業に昔から利用されてきました。また逆にこれら業界の産業力が、専門的なバイオテクノロジーの発展につながり、現在では環境バイオテクノロジー、バイオメディカル、バイオインフォマティクス(生物情報学)、そして機能性食品の分野へと広がっています。
先端の研究・開発及び商業化を手掛ける多くの企業・機関及び研究者らがWA州に拠点を置いています。WA州のバイオテクノロジー産業は、中核となるバイオテクノロジー企業、研究機関や関連サービス企業などを含む約140の企業および機関で成り立っています。
WA州には強固な研究拠点があり、州立農業バイオテクノロジー・センター(SABC)における農業バイオテクノロジー、ライオンズ・アイ研究所、小児保健研究所、西オーストラリア医学研究所および西オーストラリア・バイオメディカル研究所におけるバイオメディカル・バイオテクノロジーなど、国際レベルの研究が行われています。
WA州に拠点を置く共同研究センター(CRCs)は研究開発の成果を実用化・商業化するために研究者らと産業を結び付けています。また共同研究センター及び業界主体の研究開発を行うセンター・オブ・エクセレンス(COE)として知られる中核的研究機関は政府機関、州内の学術機関、および民間セクターの情報資源と機能を統合する役割を果たしています。
WA州には西オーストラリア大学、マードック、カーテン、エディス・コーワン大学という4つの公立大学があります。これらは連邦政府の助成を受けた独立機関で、生物学やバイオテクノロジー関連のコースがあります。
WA州政府は長期成長産業であるバイオテクノロジー産業の発展を積極的に支援し、今日では長年にわたる継続的な開発の成果が期待されています。WA州のバイオテクノロジー産業は、学識の高い労働力、世界的に著名な科学者、技術革新と発明の実績などを背景に最先端の研究開発を行っています。世界の有力企業の注目を集めるトップレベルの研究は熱心な投資家たちに新たな市場創出の機会を提供しています。
WA州には広範囲にわたる様々な民間企業がありますが、それに加えてオーストラリア証券取引所に上場するバイオテクノロジー企業も増えています。WA州に拠点を置く株式公開会社の合併市場資本化総額は、2003年後半に初めて10億ドルを超えました。WA州が収益を上げているバイオメディカル企業らの拠点となっているのも重要な点です。