オーストラリア政府の炭酸ガス排出削減への取り組みのひとつは、再生可能自然エネルギー推進です。オーストラリア政府は、2020年までにエネルギー生産量の少なくとも20%を再生可能資源にすることを命じました。これにより西オーストラリア州政府は州政府戦略的エネルギー構想2031 (State Government’s Strategic Energy Initiative Energy 2031)を策定し、今後20年間の州エネルギー需要への対応策として、州エネルギー需要のかなりの割合を、炭素隔離や再生可能エネルギーに転換していきます。
西オーストラリア州の多様な気候や地理は、太陽光・風力・潮力・バイオマス等の主要再生可能エネルギーの活用に適した環境です。そのため州では現在、太陽光・風力・省エネ・再生可能エネルギー利用等の様々な新しいプロジェクトを進行しています。
太陽光
長い日照時間、少雨量、遠隔地等、州の地理的条件は太陽光エネルギーに適しており、分散する地域社会の増大するエネルギー需要に応えることができる高い潜在能力をもっています。2010年、州はピルバラ(Pilbarra)東部のピップンヤ(Pippunyah)と、マーブルバー(Marble Bar)南部のヌラギン(Nullagine)に、ハイブリッド太陽光ディーゼル発電所を稼働させました。オーストラリア最大の太陽光発電(PV)エネルギープロジェクトとして、現在ミッドウエスト(Mid-West)でも工事が進行中で、それはさらに巨大な太陽光エネルギープロジェクトへの試験的事業でもあります。
風力
風力発電開発でオーストラリアを先導する西オーストラリア州は、すでにオールバニー(Albany)で大規模風力発電所が稼働し、また2012年に稼働開始予定の発電容量206MW超のウィートベルト(Wheatbelt)コルガー風力発電所(Collgar Wind Farm)があります。
潮力
西オーストラリア州政府は、パース南西のコックバーンサウンド(Cockburn Sound)沖のガーデン島(Garden Island)にある5MWの潮力試験発電所での開発に補助金を支出しています。試験用CETO(波エネルギー変換器)は、波エネルギーをゼロエミッション電力に変換し、さらに海水を淡水化する動力となります。また州北部の巨大な潮汐は、潮力発電にとって明るい可能性を示しています。
バイオマス
今日までのバイオマスの取り組みは、バイオマスを埋め立て、その汚水ガスからエネルギー発電を行うことでした。しかし州では最近、低級材、育成林の廃棄物等を利用することをめざしています。オールバニー近くの高密度バイオマス燃料(Densified Biomass Fuel)工場では、年間25万tの低級材をペレットにし、発電や熱エネルギーとして供給しています。また年間森林残渣25万t超から発電する専用の発電所もあります。
州北部カラサ(Karratha)のバイオ燃料試験工場では、商業用藻類製品の生産テストが行われ、ピルバラの巨大なエネルギー需要の一部を供給できる本格的工場建設をめざしています。
詳細はエネルギー庁ウェブサイトをご覧ください。
Public Utilities Office